双極性障害が治るまでの経過と過程を考える
前回までで、発症前(双極性障害と確定診断される前)までのことは記述し終わりました。
そして、双極性障害とは何なのか?についてまとめてみました。
私が病気になってから調べまくった知識を総動員して書きましたので、かなり詳しく書いてあると思います。またわかりやすく伝えることも意識して、要所要所にリンクも貼ってありますので、そちらも読んでみるとより双極性障害という病気のことがわかると思います(^^)
さて、今回は、双極性障害の発症直後からどのようにして回復していくのか?を考えてみたいと思います。
以下の図は、うつ病治療からの回復の説明をする際によく使われる図です。
呼び方は様々ですが、【急性期・回復期・維持期】と3つの段階を経て回復していく、というのがうつ病治療の大前提です。
では、双極性障害はどうなのか?どうやって治っていくのか?というと、
うつ病治療のように言及されていないものがほとんどなんです。
双極性障害の治療の説明でよく用いられるのは、以下の図です。
これももちろん正しいのですが、この図だと、躁と鬱の気分の波の説明ではあってもそれ以上の回復過程の説明ではないのがわかりますか?
そう、双極性障害を説明するときに、『どうやって治っていくの?』について言及していない記事がほとんどなんです!
なぜかというと、躁と鬱の二つの波を説明することに重点を置いている場合がほとんどで、どのように回復していくのか?を重視して書いている人がいないから、というのが私の印象です。
ですが、私の実体験からいうと、双極性障害と診断された時点からの回復過程の中に、確かに躁と鬱の気分の波はあるものの、ゆっくりと上り調子で回復していく実感がありました。
ちゃんと、山を登るように回復していくのです。
ただ、その中に躁と鬱の波があるというだけで、でもそれはうつ病の人だって調子の良し悪しの波はありますよね?一時的には悪化することもありますよね?
同じことだと思うんです。
なので、うつ病と同じように、躁うつ病も山を登ってよくなりますよ、という説明が欲しいと、個人的には思っています。
それを、なぜ双極性障害の説明となると、『どのようにして回復していくのか』の説明がなされないのか?私も疑問に感じているところです。
少なくとも、私自身は、上の図のような、【急性期】【回復期】【維持期】の3段階で治っていっている実感があるので、そのように説明してもいいのではないか?と思っています。
なぜかというと、
- 双極性障害と診断された直後の自分の体の状態
- それから半年後の状態
- さらには1年後の状態
は全くの別物でした。
時間が経つほど、上り調子で良くなっていくんです。
これは、私の治療が上手くいっているからかもしれません。
中には、何年、何十年とこの病気と戦っている方もいます。
でも、「ちゃんと治療すれば治るんだよ!」という上手くいっている人間の例もあっていいんじゃないか?と思うんです。
だって、双極性障害という病気を治すために戦っているのですから、出口戦略を示さないのって変ですよね?
双極性障害の説明をされるときに、「双極性障害は治らない病気だ」と、その筋の結構偉い先生まで言ったりします。
双極性障害の説明で【完治】ではなく【寛解】という言葉がありますが、私はその言葉が大嫌いです。
他の病気にはちゃんと【完治】という言葉が使われます。でも、どんな病気だって再発の恐れや、あるいは別の疾患を発症することだってありますよね?
それなのに、なぜ精神疾患に【寛解】なんて難しい言葉を使うのか?
私個人としてはちゃんと完治って言え!って思います。
寛解という言葉には、暗に「治りません」という意味が含まれているからです。
お医者さんもそういう意味で使っています。
でも、そこで言う医師の『治る』って何なんでしょうね?
『治る』の基準は、『発症前の日常生活に戻れること』だと私たち患者は認識しています。
日常生活が不便なく送れるように、仕事が以前のようにこなせるように、薬を飲まなくてもいいように、そんなことを願って治療しています。
でも、その状態にですら回復できない病気なんでしょうか?
双極性障害患者さんはみんな社会生活が送れないし、一度罹患すると二度と社会復帰できないんでしょうか?
双極性障害を患った方でも、今ではきちんと社会復帰されている方も多くいらっしゃいます。会社の社長さんも多いそうです。私の主治医が言ってました。
それを「治りません」なんて、まして、これから治療して治していこうという患者さんに向かっていう言葉でしょうか?
病気になってそれだけでも気落ちしている患者に向かって「あなたは治りません。でもある程度までは回復しますよ。再発率も高いですが。」って言いますか?
でも、こういうこと平気でやってるんですよ。しかも医者の立場で。
希望が欲しくて本を読んでも平気で書いてあります。
「治りません」って。
患者にとってほしいのは、希望です。
「ちゃんと治る」
こう言ってもらえるだけで、治療に前向きになれたりするんです。
それを簡単に治らないなんて言ってほしくないと、患者の立場から切に願っています。
「ちゃんと治る」
この一言の重みというのを、ぜひ一度お医者さんは考えてみてほしいと思います。
その点、私の主治医は、病名が双極性障害だとわかった時にも、
「病名が分かればもう大丈夫。薬もちゃんとあるし、治るよ(^^)」
と言ってくれました。
この言葉に、どれだけ救われたかわかりません。
そのくらい患者にとって「治る」という言葉には希望が詰まっているんだ、ということをわかってほしいと思います。
ちゃんと、最終的には服薬も中止出来て日常生活に戻れる、というのが私の目標であり、それこそが『治った』と呼べるゴールだと思います。
なので、このブログでも、私の実体験に基づいて4段階に分けて書いていこうと思っています。
- 発症前
- 急性期
- 回復期
- 維持期
うつ病の例に倣って、この分類にしました。
ちなみに、この記事を書いている時点での現在の私は、回復期から維持期への移行途中、維持期の一歩手前、といったところでしょうか?
主治医のおかげもあり、順調に回復してきていると実感しております。
発症前については、この前までで書き終わりましたので、次回からはそれ以降の3段階(急性期・回復期・維持期)において、どのような症状がでていたのか?について、書いていこうと思います。